一時期、株式時価総額では米国ビック3を超え、米国NO1となったテスラ・モータース。
ちなみに2017年10月現在は株価が若干調整したごとからゼネラル・モータース(GM)に再逆転されています。
テスラの時価総額は569億ドル、GMの時価総額は約588億ドルです。
2016年の販売台数はGMの約1,000万台に対しテスラは7.6万台です。
しかし、テスラはEV(電気自動車)・自動運転技術・コネクテッドカーでは他社をリードしており、さらには自動車だけでなくソーラーエネルギー事業も高い将来性を秘めています。
よって、このまま競争に勝ち順調に成長すれば株価は数倍になると思われます。
しかし、既に期待で大きく買われていることもあり、もし競争に負けた場合はおそらく数分の一の株価になる可能性もあります。
つまり、テスラへの株式投資はかなりのハイリスク・ハイリターンということになります。
このようなパターンの場合、CB(転換社債)に投資するとリスクは限定的でリターンは無限大となりますので有効です。
テスラも過去に何本かCB(転換社債)を発行しており、市場で取引されるものがありますので条件を紹介します。
テスラ・モータースCB(転換社債)【2017/10/2時点】
- 通貨:米ドル
- クーポン:1.25%
- 発行日:2014/2/27
- 償還日:2021/3/1
- 転換価格:359ドル(現在の株価341ドル)
- CB(転換社債)の時価:113ドル
上記の通りCB(転換社債)の時価は113ドルです。
2021/3/1の償還時は100ドルで償還されますので、テスラの株価が思ったほど上昇しなかった場合は(破たんしないのが前提ですが)13ドルのキャピタルロスが発生します。
ただし、クーポン1.25%があと3年半受け取れるのでこれを考慮すると、100ドルで償還された場合のトータルリターンは-8.6%程度となります。
テスラが破たんさえしなければ、-8.6%が最大のリスクとなります。
逆に株価が上昇した場合は大きくリターンを上げることができます。(最大リターンは無限大です)
特に上記のCB(転換社債)の場合、現在の株価が転換価格に非常に近いため、株価がもう少し上がればある程度、株価と同じ収益率となります。
現在のパリティは341/359 = 95.0です。
CB(転換社債)の場合、パリティが100を超えてくると株式の性質が強くなり、株価と連動しやすくなります。
つまり、現在の条件は損失を最小限にしながら、大きなアップサイドを狙うのに非常に良い条件と言えます。
過去にはITバブル期(1999年~2000年)のソフトバンクCB(転換社債)のように20倍以上になったものもあります。
一般の投資家は投資するチャンスが限られますが、大口投資家であれば証券会社のトレーダーに依頼して購入できるかもしれません。
- CB(転換社債)についての詳細はこちらを参照:転換社債(CB)の仕組み・特徴・提案のポイントについて - ファイナンシャルスター
CB(転換社債)はポジションとしてはコールオプションの買いと同じですので、損失限定(クレジットリスクを除く)で期待リターンは無限大となり、理にかなった商品です。
逆に株式や為替系の仕組債は大半がこの反対となり、オプションの売りのポジションですのでタイミングに注意して投資する必要があります。多くの仕組債は利益限定、損失無限大のポジションです。