日本の名目GDP(四半期ベース、季節調整済み)が過去最高を更新しているのをご存知でしょうか?
日本のGDPは実質ベースの低成長が続いたことと、長らくデフレが継続した影響で名目GDPは1997年10月-12月(4Q)のピークを長らく更新できていませんでした。(1997年10月-12月の名目GDPは536.6兆円)
日本を除く多くの国では基本的に名目GDPは右肩上がりとなっています。
約20年間も名目GDPが過去最高を上回ることができなかったのはある意味、異常とも言えます。
これでは株価も上がらず、景気が上向かないのも当たり前です。
しかし、2017年に入ってようやく過去最高を超えてきています。
2017年7月-9月の名目GDPは545.8兆円まで拡大しています。
アベノミクスが始まった2012年12月以降、実質GDP成長率は平均で+1.4%、GDPデフレターが平均で+0.8%となっており名目では平均+2.2%の成長となっています。
バフェット指数に代表されるように名目GDPと株式時価総額はある程度パラレルに動くという話があります。
個人的にも日本の名目GDPが拡大しないと日本株全体の時価総額は拡大しないと思っていました。
それがようやく20年ぶりに名目GDPが過去最高を更新したことは、現在の日本株の上昇がマクロ経済の改善を伴うものであることの証明になるのではないでしょうか。
実質GDP成長率は余程大きな外的な混乱がなければマイナスにはならないでしょうし、現在はインフレ率も改善傾向ですので名目GDPは当面拡大する傾向になると思われます。
こちらは名目GDPとTOPIXの推移です。
ある程度リンクしているのが見て取れます。
名目GDPの拡大は当面の日本株の支援材料となりそうです。
さらに日本株はスチュワードシップコードとコーポレート・ガバナンスコードの導入によるROE経営の推進などで1990年代とは内容が全く異なります。
- 日本株を取り巻く環境についてはこちら:ひふみ投信・ひふみプラス/日本株の投資環境
さらにここまで株価が上昇しても日経平均ベースのPERは14倍台です。
また、今回のように20年ぶりに名目GDPが過去最高を更新するというような大きなトレンドの変化は株価の水準を大きく変える可能性があります。
日経平均は22,000円台まで上昇しており、過去の株価の推移をみると価格的には買いにくい水準ではありますが、押し目買いのスタンスで良いと思います。
10%~20%調整した場面では投資しても良いと思います。