大和証券がサムティ・レジデンシャル投資法人(3459)のサブスポンサーになります。
具体的には2018/2/1にサムティ・レジデンシャル投資法人を運用するサムティアセットマネジメントの株式33%を大和証券から譲り受けることに加え、サムティ・レジデンシャル投資法人の増資を約140億円引き受けます。
増資完了後のサムティ・レジデンシヤル投資法人の35.4%を保有する筆頭株主となります。
リートのスポンサーがセイムボード出資という形で投資法人の投資口を保有することはよくありますが、35.4%というのは非常に大きなウェイトであまり聞いたことがありません。
しかもサブスポンサーです。
唯一あるのは同じ大和証券グループ本社がスポンサーをしている大和証券オフィス投資法人(8976)くらいです。
こちらもグループ企業と合計で38%近く保有しています。
ちなみにサムティ・レジデンシャル投資法人のメインスポンサーであるサムティの保有比率は増資完了後で5.7%です。
通常はこれくらいが普通ですのでサムティが少ないわけではありません。
それだけサムティ・レジデンシヤル投資法人に対して大和証券がコミットしているということでしょう。
なぜなら、リートの場合は通常の株式と異なり、保有比率を高くしてもあまり意味がないからです。
リートをコントロールするのは運用会社でサムティ・レジデンシャル投資法人の場合はサムティアセットマネジメントになります。
通常、運用会社の資本金は1億円程度です。
サムティアセットマネジメントは1.2憶円です。
今回、そのうち33.3%を大和証券が譲り受けました。
このようにリートの場合は投資法人をコントロールする為に投資法人の口数をたくさん保有する必要はなく、わずかな資金で運用会社を所有しているスポンサーがコントロールできます。
よって、本来そこまで必要はないにもかかわらず大和証券グループ本社が35%以上も保有することはコミットメントの表れと言えそうです。
大和証券はこれまでもJ-REIT市場に対する取り組みはきわめて積極的で、すでに3つの上場リートと1つの私募リートのスポンサーになっており、サムティ・レジデンシャル投資法人で5つ目のスポンサーとなります。
大和証券グループ本社がスポンサーとなっているリート
- 大和証券オフィス投資法人(8976)
- 日本賃貸住宅投資法人(8986)
- 日本ヘルスケア投資法人(3308)
- 大和証券レジデンシヤル・プライベート投資法人(私募リート)
- サムティ・レジデンシヤル投資法人(3459)
アセットマネジメントビジネスを拡大することで収益を安定化させることはもちろんですが、大和証券の顧客に対しブリッジファンドなど様々な不動産証券化案件を提供できることにもなります。
大和証券が独立系として生き残れているのは、このような思い切った戦略を着実にビジネスとして実行できているからなのでしょう。
- J-REITのスポンサー一覧はこちら:J-REITのスポンサー一覧と保有物件の用途一覧 - ファイナンシャルスター
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