2018年11月現在、「世界の株式時価総額合計」と「世界の名目GDP合計」の比較の上では株式の割高感がなくなってきたようです。
時価総額と名目GDPの比較は長期的な視野において株式市場の割安・割高を見る上で非常に役立ちます。
- 「世界の株式時価総額合計」と「世界の名目GDP合計」の比較チャートはこちらをご覧ください:世界の株式時価総額と名目GDPの比較チャート(データ更新用) - ファイナンシャルスター
2003年以降のデータでは多くの期間で「世界の株式時価総額合計」は「世界の名目GDP合計」を下回って推移してきました。
しかし、2017年8月~2018年9月は「世界の株式時価総額合計」が「世界の名目GDP合計」を上回る水準まで上昇し、グローバル株式に割高感が出ていました。
(ちなみに「世界の株式時価総額合計」が「世界の名目GDP合計」を上回るのはリーマンショック前の2007年以来です。)
その後、2018年1月をピークにグローバル株式が下落したことで再度、「「世界の株式時価総額合計」が「世界の名目GDP合計」を下回る水準となっています。
足元の具体的なデータは下記の通りです。
2018年11月5日時点の世界の株式時価総額は74.8兆ドルです。
世界の名目GDPは2017年12月末で80.6兆ドルでした。
通常、世界の実質GDP成長率は3%~4%程度で、名目では5%以上の成長となります。
2018年11月5日時点の世界の名目GDPが2017年12月末から5%成長していると仮定すると84.6兆ドルとなります。
【2018年11月時点のデータ】
- 世界の株式時価総額合計:74.8兆ドル
- 世界の名目GDP合計:84.6兆ドル
- 世界の株式時価総額合計 / 世界の名目GDP合計:88.4%
「世界の株式時価総額合計」が「世界の名目GDP合計」を11.6%下回る水準です。
2018年1月頃の割高感はなくなっています。
しかも、かなりしっかりと「世界の株式時価総額合計」が「世界の名目GDP合計」を下回っています。
もちろん現在の水準は大幅下落の序章に過ぎない可能性もゼロではありませんが、下記のリンク先に掲載した通り、あと2年位は米国を中心とするグローバル株が大暴落する可能性は低いと考えらえます。
少なくとも大統領選挙がある2020年まで、トランプ大統領は何がなんでも米国株を下支えするでしょう。
これらを勘案すると米国大統領選挙が終わる2020年までは短期的に下落したところは押し目買いで良いと思います。
- 関連記事はこちらを参照:米国株式は割安ではないが2020年までは押し目買いでOK