米国REITのパフォーマンス(指数とトータルリターン)
米国REITが好調です。
使用するインデックスによって若干異なりますが、「FTSE/NAREITオールエクイティREITインデックス」は過去最高値を更新中です。
もう1つの代表的な米国REITインデックスである「ダウ・ジョーンズUS Real Estate Index」は最高値の一歩手前です。
「FTSE/NAREITオールエクイティREITインデックス」の長期チャートです。
トータルリターンでない指数自体もリーマンショック前の高値を突破して過去最高値を更新中です。
リーマンショック後から見ると大きく上昇しているように見えますが、1990年12月からみると約29年で約5倍ですので年率5.7%の平均上昇率です。
米国の経済成長やインフレ率を考えれば適正な数値といえます。
そして、分配金込みのトータルリターンでは約29年で約23倍です。
トータルリターンでは年11.5%となります。
11.5%で29年間運用すると約23倍、複利効果は凄いです。
それでは現在の米国REITが割高or割安かを分配金利回りの面から確認します。
米国REITの分配金利回りから水準を分析
米国REITの分配金利回りと10年米国債の利回り推移です。
併せて、スプレッド(米国REIT―10年米国債)も掲載しています。
まず、米国REITの分配金利回りはリーマンショック以降、概ね4%前後でそれほど変化していないことが確認できます。
指数が大きく上昇しているにも関わらず利回りが一定ということは、指数の上昇と同じ割合で分配金が増額されているということになります。
米国は日本と異なり、不動産賃料が長期的に上昇していることから分配金も増加しています。
よって、利回り面からは米国REITに割高感はありません。
次にスプレッド(米国REIT−10年米国債)を確認します。
現在のスプレッドは2.1%です。
- 米国REITの分配金利回り:4.1%
- 10年米国債利回り:2.0%
過去、1996年~1997年や2006年~2007年のように米国債利回りの方が高くなる逆転現象(スプレッドがマイナス)が起きたこともあります。
現在の2.1%のスプレッドは過去平均よりもやや大きくなっていることから、ある程度割安な水準と言えます。
米国REITはNAV倍率も1倍をやや下回っている水準であり、利回り面からも割高感はありません。
FRBが再度、緩和にシフトしていることも追い風となります。
リスクがあるとすれば、そもそも米国の不動産価格自体が高くなりすぎている点です。
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