ここ最近「ESG」という言葉を聞かない日はありません。
ESGとは環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字をとったものです。
ESG投資とはこれらに配慮している企業を選別して投資するものです。
ESGに配慮している企業は業績面でも中長期的に良くなるであろうという考え方に基づいています。
ESG関連の投資商品として米国ではかなり昔からETFが存在しています。
日本でも2017年からGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が3種類のESG指数に連動した日本株のパッシブ運用を始めたこともあり、ETFの設定が始まりました。
では、過去のパフォーマンスがどうなったか確認してみます。
日本株のESG指数に連動する3つのETFの前に以前からESG投資が盛んな米国株で確認します。
銘柄は「iシェアーズMSCI米国ESGセレクトETF(SUSA)」を使います。
ベンチマークは「MSCI USA ESGセレクト指数」です。
こちらのETFは金融庁の登録もされており日本国内の証券会社からも購入することができます。
2012年までほぼS&P500指数に連動しており、2013年以降は若干劣後するパフォーマンスとなっています。
「iシェアーズMSCI米国ESGセレクトETF(SUSA)」は信託報酬が0.5%と株式ETFの中ではやや高めであるにもかかわらず、上記のパフォーマンスでは現時点であえて購入する必要はなさそうです。
ESG関連の株式がもっと注目されるか、銘柄選定手法が洗練されれば良い時期が来るかもしれませんが、その兆候が出るまではウォッチしておくだけでよいでしょう。
同様に2017年に日本で設定されたESG関連のETFも今のところ良いパフォーマンスは出ていません。
下記はGPIFが採用した3つのESG指数をベンチマークとするETFです。
- 「ダイワ上場投信一MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」(1652)
- 「ダイワ上場投信一MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」(1653)
- 「ダイワ上場投信一FTSE Blossom Japan Index」(1654)
いずれも2017年9月の設定でそれ程時間が経過していないので参考程度にすべきですが、これまでのパフォーマンスは3本ともTOPIXを下回るリターンとなっています。
よって日本株においても現時点でESG投資はリターンの向上につながるとは言えません。
こちらも今後に期待しながらウォッチしておけば良いでしょう。