2023年8月18日時点で日経平均は31,450円まで上昇し、年初来では+20.53%となっています。
同様に日本株全体のパフォーマンスを表すTOPIXは年初来+18.27%です。
一方、J-REIT市場全体のパフォーマンスを表す東証REIT指数は年初来-2.13%とマイナスのリターンとなっており、感覚的には日本株に対して大きく出遅れていると感じます。
今回は東証REIT指数とTOPIXの比較チャートを使って、J-REITと日本株の相対的な立ち位置を確認したいと思います。
まずは東証REIT指数とTOPIXの長期比較チャートです。
東証REIT指数の算出が開始された2003年3月からの比較チャートです。(TOPIXは2003年3月末を1000として指数化)
2007年は東証REIT指数がTOPIXを大きく上回り、2018年はTOPIXが東証REIT指数を大きく上回っていました。
ただし、いずれもその後、両者の乖離は収斂しています。
2020年のコロナショック後から、TOPIXが東証REIT指数を上回る状態が続いており、特に2023年に入ってTOPIXが相対的に大きく上昇しているのが確認できます。
TOPIXと東証REIT指数の乖離を表すチャートを見ても、過去最大の乖離となっていることが確認できます。
TOPIXと東証REIT指数のバリュエーションです。
- TOPIX:予想PER14倍、PBR1.3倍、配当利回り2.3%
- 東証REIT指数:NAV倍率0.93倍、分配金利回り4.1%
いずれも割高感はありません。
その中でも特に東証REIT指数のNAV倍率0.93倍と言いう数字はかなり割安感が出てきていると言えそうです。
オフィスの空室率が高止まりしていることや今後、円金利が上昇する可能性を織り込んで現在の水準になっていると思われます。
そういう意味では指数ベースの分配金利回りが4%を超えている事も考慮すると、投資のエントリータイミングとしては悪くないと言えそうです。
最後に参考として上記チャートと同期間の配当込みのチャートを掲載します。
配当込み指数の比較チャートを見ると少しイメージが異なります。
配当込み指数では多くの期間で東証REIT指数がTOPIXを上回ってきました。
これを見るとインカム収入の威力を感じます。
それが過去数ヶ月間の日本株の上昇で2010年以来、価格の乖離がなくなりました。
これをどう解釈するかは人によると思いますが、足元の相対的な割高・割安を判断するのは上記で紹介した配当を含まない形の比較チャートが適しているのではないかと考えています。
J-REITに関する情報はこちらを参照してください。