国土交通省は公示地価と基準地価という2種類の地価を公表しています。
感覚的には公示地価がメインで基準地価はそれを補う役割になっています。
公示地価は1月1日時点の価格で主に都市計画区域内を対象としています。
一方、基準地価は公示地価と比べて都市計画区域内の割合が低くなっています。
大規模開発の対象となっていないエリアは土地の価格が上昇しにくいことから、基準地価は公示地価より価格が上がりにくい傾向があります。
そのため、公示地価(全国全用途)は2007年、2008年、2016年、2017年はプラスになりましたが、基準地価(全国全用途)は26年連続下落となっています。
2017年の公示地価(全国全用途)は+0.4%、基準地価(全国全用途)は-0.3%となっています。
一方がプラスで一方がマイナスとなっていますが、もちろん、極端に乖離しているわけではありません。
トレンドは概ね同じような動きとなっています。
上記の通り、基準地価が少し低く算出されると考えておけばよいでしょう。
1990年代以降、日本の土地は大きく下落しました。
東京をはじめとする大都市圏は回復基調になりますが、地方は特殊要因を除けばほぼ一方的に下落しています。
政令指定都市である新潟市を含む新潟県でも2000年と2017年の公示地価を比較するとちょうど半分になっています。
もちろんそれ以外の地方でも2000年と比較すると大半の県が半分以下となっています。
また県ベースではなく、市町村ベースでみると、県庁所在地以外の市町村では1/3~1/5になっているケースが非常に多くあります。
2017年1月1日時点の人口動態調査によると、日本の人口は8年連続減少しており、今年は前年比で30万人も減少しています。
しかし、東京の人口は8万人近く増え+0.6%となっています。
これをみると土地の価格は結局のところ人口増減による要因が大きいと感じます。
個人的には日本のデフレ解消には土地の価格(不動産価格)が上昇しないと難しいのではないかと考えています。
土地の価格(不動産価格)が下落すると逆資産効果による心理面が景気にマイナスに作用する点や担保評価が低下することで銀行融資が減ることで景気にマイナスに作用することが考えられます。
日銀の金融政策に加えて、政府にも何か対策を期待したいところです。
勝手な意見を言わせてもらうと、地方の主要駅前の大規模開発を行うことで周辺の不動産価格を上昇させることが良いと思います。
東京でも丸の内や六本木、虎の門、京橋と多くの地域で再開発が行われました。
当初はビルの供給懸念で不動産価格が下落するのではないかと言われていましたが、いずれも地域の利便性が高まり人気も高まったことで周辺地域の価値が大きく上昇しました。
これの地方版をやるべきと考えます。
そして同時に、以前書かせていただきましたが大規模少子化対策を行うと良いと思います。
もちろんお金がかかりますが、国の財政は元々借金まみれですので、思い切ってやってほしいものです。
これ、良いと思いませんか?