債券王ビル・グロースがピムコからジャナスに移籍して3年が経過しました。
ピムコで運用を担当していた「トータルリターンファンド」は最大で2,930億ドル(2013年4月)もの運用資産となり、1997年6月からビル・グロースが退社後の2015年4月まで世界最大のミューチュアルファンドとなっていました。
これだけの資金が集まっていた理由は長年に渡り、高いパフォーマンスを継続していたことと、カリスマファンドマネージャーとなったビル・グロースに対する信頼が高かったためです。
ビル・グロースがピムコを退社した後、毎月巨額の資金流出が続き、2017年8月31日時点で747億ドルまで運用資産残高が減少しています。
現在、ピムコのフラッグシップファンド(No1ファンド)はトータルリターンファンドから運用資産残高1,672億ドルの「インカム戦略ファンド」に替わっています。
インカム戦略ファンドは日本国内でも「野村PIMCO一世界インカム戦略ファンド」や「三井住友ピムコ・ストラテジック・インカムファンド」といった商品名で販売されており、日本国内だけでも6000億円以上の販売実績になっています。
現在、ビル・グロ-スがジャナスで担当しているファンドは「ジャナス・ヘンダーソン・グローバル・アンコンストレインド・ボンド・ファンド」ですが、このパフォーマンスがあまり良くないようです。
bloombergのデータでは2014年10月~2017年8月のパフォーマンスは年率換算で+2.3%となっており、同種ファンドの中間程度であるとのことです。
ちなみにビル・グロースから運用を引き継いだ「トータルリターンファンド」の2014年10月~2017年8月のパフォーマンスは年率3.4%で「ジャナス・ヘンダーソン・グローバル・アンコンストレインド・ボンド・ファンド」を上回っています。
また、現在ピムコのフラッグシップファンドである「インカム戦略ファンド」は更に上で同期間のパフォーマンスは年率6.1%となっています。
よって、ビル・グロ-スの運用力も良かったのかもしれませんが、ピムコのリサーチカが凄いと言えそうです。
ピムコは従来からリサーチに力を入れている会社で、世界中にクレジットアナリスト等の調査チームがいます。
また、アドバイザリーボードメンバーとして主要国の中央銀行総裁などを継続的に受け入れています。
2017年9月現在のアドバイザリーボード主要メンバーは下記の通り、超豪華メンバーです。
- ベン・バーナンキ(前FRB議長)
- ジャンクロード・トリシエ(前ECB総裁)
- ゴードン・ブラウン(前英国首相)
ちなみにバーナンキが就任する前はグリーンスパン(バーナンキの前のFRB議長)がメンバーとなっていました。
イエレンもFRB議長を辞めた後はピムコのアドバイザーとなるのでしょうか?
ここまでやってくれると安心してお金を預けられそうです。
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