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円高で米ドルも良いが人民元はもっと良い

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2/16に1ドル=106円台の米ドルは買いといった内容を掲載しました。

もちろん今も同じ考えですが、米ドルに投資するなら「米ドル+α」の通貨といえる人民元の方がもっと良いと思います。

ちなみに人民元は管理フロート制を採用していますので、ある程度米ドルとリンクした動きとなります。

米ドルより人民元がより良いと思う理由は、米国の対中貿易赤字の拡大がポイントです。

2017年の米国の貿易赤字は5,660億ドルです。

赤字の国別内訳は下記の通りです。

  • 中国:3752億ドル
  • メキシコ:711億ドル
  • 日本:688億ドル

トランプ大統領は貿易赤字を過度に敵視していますが、大統領になって以降、米国の貿易赤字は拡大しています。

上記の中国、メキシコ、日本の3か国で米国の貿易赤字の90%を占めています。

貿易赤字を減らすために北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しなど、各国との交易条件の見直しを進めています。

それと同時に貿易赤字を減らす手段として最も効果が出やすいのがドル安です。

ここ最近のドル安円高の要因として、トランプ大統領がドル安政策を進めるのではないかといった思惑が大きく影響しているようにも感じます。

下記が主要通貨に対するドルの強弱を表しているドルインデックスの推移です。

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長期的な観点で見るとちょうど過去平均に近い水準ですので、米ドルが極端に強くなっている訳でもないようです。

貿易赤字の内訳を考えればメキシコや日本ではなく、もっと中国に言って欲しいと感じます。

下記が人民元/ドルの推移です。

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人民元は現在でも変動相場制でなく、管理フロート制をとっており、実質的に中国政府と人民銀行がコントロールしています。

固定相場制から管理フロート制になった2005年以降、徐々に人民元高となっていましたが2014年~2016年は人民元安となりました。

そして2017年トランプ大統領が誕生したタイミングで再度、人民元高方向に推移してます。(トランプがうるさいので中国も配慮したのでしょうか)

それでも中国の対米貿易黒字を考えるともう少し人民元が強くなる必要があると思います。

この状況を考えると当面、人民元が対米ドルで大きく下落する可能性は低いと考えられます。

さらに人民元の金利は米ドルよりも高く、日本で流通している人民元建ての中国国債(いわゆる点心債)でも5年で4.0%といった水準です。

よって、米ドルで外債投資をするのであれば、現在は人民元建て債券の方がベターと考えられます。

金利も高く、人民元高のキャピタルゲインも期待できます。

仮に人民元が対米ドルで下落することがあるとすれば、中国国内の景気が予想以上に悪化した場合ですが、それでも直近安値の1ドル= 7.0人民元が下限だと思われます。

足元はドル円レートが1ドル= 106円台と円高であることから、米ドル投資を考えている方も多いと思いますが、米ドル十αとして人民元は非常に良いのではないでしょうか。

ちなみに円から投資することを前提に円/ドルと円/人民元の比較チャートを掲載します。

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2005年1月31日を1.000として指数化しています。

2005年7月までは同じ動きになっていますが、これは人民元がドルにペッグされていたためです。

2005年7月から管理フロート制になっています。

円/ドルと円/人民元のかい離幅は人民元がドルに対して切り上がった幅となります。

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